SONY Readerに一喜一憂
私は出張が多いので、電車や飛行機での移動時間では時間がポカッと空いたりします。ただ出張時の荷物が多いこともあり、本を持って行くことは荷物になるので、あまりしたくないことの一つでした。それでこれまではiPhoneで青空文庫を楽しんでいたのですが、画面が小さいこと、目が疲れること、iPhoneの電池が持たないことなどから、最近盛り上がってきている電子ブックを心待ちにしていました。読みやすさの面から、当然E-Ink一択です。
AmazonのKindleも悪くはないのでしょうが、やはり日本語が満足できないという点が問題です。そこでSONYが発表したReaderを予約日に早速注文し、発売日に届いたのです。もっとも発売日当日は出張で不在だったので、何もできなかった訳ですが。
購入にあたり6型のTouch Editionと5型のPocket Editionのどちらにしようか悩みましたが、やはりその重量が決め手となりました。215gと155g。このわずかな差が後で大きな差となって現れてくるのは、これまでの出張生活で身にしみて理解しています。ということで、より軽いPocket Editionを選択することにしました。このPocket Editionのマイナス点は、内蔵2GBのフラッシュしかストレージが無く(実質1.4GB)、Touch EditionにはあるSD Cardも実装されていないということです。それでも約1,400冊の本が入るという謳い文句を信じて購入することにしました。
さて実際に製品に触れてみて、いいところ、悪いところがいろいろありますのでそちらについてつらつらと書いてみたいと思います。あ、最初に写真を撮りましたのでご覧ください。
このようにiPhoneと比べると約2倍の大きさとなっています。でも大きさの割に軽いので持っていてそれほど苦になりません。質感はまあまあですね。決してチープな感じではありません。この写真を見てもわかるように、iPhoneはバックライト付きLCDなので自ら光っていますが、ReaderはE-Inkなのでペタッと張り付いたような感じです。実際に画面を見てもReaderの方が圧倒的に見やすいです。
ピントがもう一つ合っていませんが、画面の部分を拡大してみました。これは青空文庫(大菩薩峠)をPDF化したファイルを表示していますので、普通の電子書籍は実際には左右の黒い縦の部分は表示されません。
話を戻して、これまでの感想を。
- E-Inkは書籍を読むという点ではとても見やすいが、反応は遅いです。メモとかもタッチペンで取れるようですが、実用には耐えないかもしれません。
- SONY Reader Storeの品揃えは電子書籍を本気でスタートさせるという視点から見ると、あまりにお粗末です。これはSONYの問題というより、コンテンツホルダーの問題でしょうね。
- SONY Reader Storeで購入した電子書籍は、アクティベートしたReader 5台までコピーできます(サポートに確認しました)。これは裏返すと、Readerを買い換えた場合、6台目では最初に購入した電子書籍が読めなくなるというクソ仕様です。ただしPCにひもづけられる訳ではないので、PC上のデータをバックアップしておけば、最低限のデータ保証はできます。
- 一番期待していた青空文庫をEPUB形式では、横書き表示にしかなりません。電子書籍フォーマットについて詳しくないですが、縦書き表示にする方法ってあるんでしょうか?
- 青空文庫はPDFにすることでとりあえず何とかなりました。青P、PDF InfoMakerの組み合わせで、ルビも反映したPDF化+タイトル編集が可能です。ただしちょっと面倒くさい。
- 青Pで明朝フォントを指定してるにもかかわらず、表示はゴシック体となります。おそらくフォントを埋め込む必要があると思うのですが、その方法がわからず、華麗にスルーしました。
- PDFの場合、ページめくりが右→左の方向でしかできません。縦書きだったら、左→右の方が違和感ないのにね。
- A4のPDFだと読むに耐えません。A6位にしないと表示が適切ではないです。そのためhp電卓のマニュアルと突っ込もうという計画は頓挫しました。
- 過去にシャープスペースタウンで購入した電子書籍(DRM無しのXMDF)は問題なく読むことが可能です。って1冊しか持っていないけど...
- 標準の管理ソフト(eBook Transfer for Reader、Windows版のみ) は、ファイルの出し入れだけだったら比較的楽にできます。ただしいったんReaderに格納してからでないと、PCのストレージに保存できません。あくまでもデバイス中心の発想で、使い勝手は悪いですね。Readerを接続しない状態でファイルの管理ができた方が良いのは当然です。
- eBook Transfer for Readerではファイルのタイトルや著者の編集ができません。著作権の問題かもしれませんが、ユーザーとしてはちょっと不便です。
- PCとの接続はMicro Bコネクタです。これは日本での普及度としてはまだ低いので、初めて見るとちょっとびっくりするかも。
- しおりの機能がちょっと貧弱かもしれません(わかっていないだけかも)。各書籍、読み終わった所から再スタートできるので実用上あまり問題にはならないかもしれませんが、しおりをたくさん入れられたら良かったのに。
- リジュームのスライドスイッチが筐体の上側についています。これが結構使いにくいです。ホームキーを押せばリジュームする方が良かったなぁと思います
他にもあるような気はしますが、今のところはこんな感じですかね。こうやって見ると、まだまだ発展途上の製品で、素人さんが普通の本の置き換えで買うような代物では無いです。はっきり言って、電子書籍ってどう?という方にはお勧めしません。携帯性の良さと、LCDと比べ目に優しいE-Ink、ここが本人の利用形態とマッチし、かつ青空文庫含め自分自身で何とかしても構わないと思えるのなら買っても損はないでしょう。
私個人は、青空文庫が何とかなったので、購入しておおむね満足なんですけどね。
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