eBox-3310でWEC7 - その3(ダウンロード編)
少し時間が開きましたが、eBox-3310の話を続けましょう。前回はNk.binのビルドのほか、DiskPrepを使ってCFにEboot.binを書きこむところまででしたので、今日はダウンロード編です。
ホストPCからeBox-3310にNk.binをダウンロードするためには、それぞれをEthernetで接続します。Eboot.binはDHCPサーバーを要求しますので、何らかの形でDHCPサーバーに接続してください。私の場合、Platform Builder 7をParallels+Win7上に構築したため、Parallels側のネットワークは有線LANをBridged接続で指定しました。なぜか無線LANではダメだったので、ここは皆さんのネットワーク環境で色々と試してみてください。なおVirtual PC+Win7で構築した環境も試しましたが、こちらも有線LANをBridged接続しています。
Eboot.binを書き込んだCFをeBox-3310にセットし、PB7のメニューから「Target」-「Attach Device」を選択します。そしてeBox-3310の電源をONにしてしばらく待つと、Ethernet Download SettingsウィンドウにeBox-3310の名前が表示されるはずです。
エミュレータでの時にも説明したように、この赤くなったデバイスを選択し、「Apply」ボタンをクリックするとダウンロードが始まります。
ダウンロードが終了すると、そのままWEC7のカーネルが立ち上がって行きます。Outputウィンドウにはデバッグメッセージがたくさん出力されていることがわかります。なんかメッセージを眺めていたら「CeGetCallerTrus() called - NOT SUPPORTED IN CE7.」というメッセージが出力されて止まっています()。まぁ、とりあえず無視してGoすると、WEC7が無事に立ち上がります。この問題は後で考えることにしましょう。
しばらくしてWEC7の画面が表示されたら、無事起動したということです。ちょっと確認のために「Target」-「Target Control」を開き、「gi proc」コマンドで動作しているプロセスを確認してみます。
Nk.exe、shell.exeを含め、全部で9個のプロセスが起動していることが見て取れます。Nk.exeのベースアドレスは0x80220000という事でカーネル空間、それ以外のプロセスは全て0x00010000という事でユーザー空間に配置されていることがわかります。アーキテクチャ通りです。
という事で、今日はここで終了。次回に続きます。
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Comments
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いつも参考になるブログをありがとうございます。
ところで、WEC7のメモリアーキテクチャってどこに記載されているかご存知ですか?もしよろしければ、教えてください。
Posted by: 通りすがりのCE開発者 | 2011.12.21 20:36
こんばんは。
ご質問の件ですが、確かにHelpやMSDNを引っ張っても明確に書いてある場所って無いですね。敢えていうとPB7 Helpの(ms-help://MS.VSCC.v90/MS.VSIPCC.v90/MS.WindowsCompact.v70.en/WECP_Ref_Core/html/d0a32e9e-c50f-4e8a-8169-6705ad218fe9.htm)にカーネルのアーキテクチャが書いてあって、メモリの事もちょっとだけ触れているだけのようです。
MSDNを検索してみたら、Windows CE .NETに関する記述(http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc394267.aspx)があって、ここは結構詳しく書いてある者の、WEC7用ではないです。日経BP社の「Windows Embedded CE 6.0 組み込みOS構築技法入門」のP.27「2.2 メモリモデル」からが詳しく、またWinCE6.0とWEC7では、物理メモリのサポートが異なるだけで、ほぼこれで問題のない情報が記載されています。もしお持ちでしたら、ご確認下さい。
具体的にこういう部分をもっとというリクエストがあれば、公式ではありません、私が理解している範囲で、ブログに掲載したいとも思います。
Posted by: いとゆ | 2011.12.21 22:39