映画「オーケストラ!」よかったですよ
こう見えて(?)実は私は映画好きです。友達に紹介されたものの、日程の都合が合わず見に行くことのできなかった「オーケストラ!(原題:Le CONCERT)」のBlu-ray Diskを買ってあったので、今日の午後に見ることができました。
あらすじというか、導入はソビエト時代の体制にはむかった指揮者がボリショイ劇場の清掃員となっていて、盗み見たFAXを元にかつての楽団員を寄せ集め、ボリショイ管弦楽団のふりをしてパリに乗り込むというものです。いわゆるよくあるサクセスストーリーの一つです。アメリカ映画にもよくあるパターンですね。
ところがこの映画、ちょっとそれだけじゃないんです。
あまり書いちゃうとネタバレになってしまうので、ここではこれくらいにしておきますが、とにかく主人公である指揮者のアンドレイ、ソリストのアンヌ=マリー、 そしてチェリストのナザロフが丁寧に描かれています。周囲の登場人物に関してはちょっとあっさりしすぎかなとも思いますが、そのおかげで映画全体が重くなり過ぎない軽妙さが感じられます。
そして全編を通して流れる音楽と、独特の色彩感を持つ映像ですね。特にアッと思ったのが、途中のシーンで流れるマーラー交響曲1番の3楽章の冒頭です。とても効果的でした。色合いが派手すぎず、しっとりした映像と、音楽、複雑な人間模様と軽い人々。なかなか魅力的な映画になっています。映画や音楽好きだったら是非見るべきですね。
ただ惜しむらくは、指揮が下手なこと。主演のアレクセイ・ゲシュコブの演技は素晴らしく上手だと思うのですが、指揮だけは駄目です。どうしても私自身、演奏者なので、そういう視点で見てしまって気になります。ソリストは案外上手でしたよ。
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